第118回 日本精神神経学会学術総会

ご挨拶

川嵜先生

第118回日本精神神経学会学術総会

会長 川嵜 弘詔

福岡大学医学部精神医学教室 教授

さて、この度、第118回日本精神神経学会学術総会を2022(令和4年)年6月16日から18日の3日間、福岡の地にて開催させていただくことになり、大変嬉しく思っております。福岡大学医学部主催の本学会の学術総会としては、1984(昭和59年)年、初代教授の西園昌久教授が第80回学術総会大会長として開催してから38年ぶりの開催となります。

2020年の初頭から全世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、大規模な集合が開催困難となっており、第116回、第117回につづき、この新型コロナウイルス感染症の勢いは衰えることがなく、第118回もその影響のもとでの開催になります。

新型コロナウイルスの出現は、世界のさまざまなものを変えました。我々を取り巻く環境が大きく変化すると共に、精神医学的な課題も日々新たになりそれらに対するわれわれの認識も変化しています。これらの変化は、コロナ感染症によるものとそうでないものとの大きく分けて2つがあるだろうと考えられます。オンラインでの交流、対人接触の制限によるコミュニケーションの質の変化、感染症に伴う死別、近年減少していた自殺の増加に対する懸念、精神療法や診療および治療構造の変化、乳幼児をふくむ若年者、配偶者、高齢者、被介護者に対する虐待の増加、COVID-19に対応する医療スタッフのメンタルヘルス、社会を覆う全般的な不安など思いつくだけでも多くの事象があります。加えて、元来の大きな潮流として、薬物療法をふくむ身体的療法の急速な発達、生物学的精神医学の興隆、精神病理や心理的な介入再考の時期、精神医療を取り巻く環境の変化、課題が多い新専門医制度の問題などがあり、事態は大変複雑になっています。

本学会は精神科医の研鑽の場であり、精神科医としてのアイデンティティを確立することに貢献してきました。また、専門医を目指す若手精神科医にとって、最新の知見に触れる絶好の機会でもあります。2022年というこの時期にわれわれは本学会を通じて多くの問題に向き合い、討議をし、今後に立ち向かうことは必須であります。

大会のテーマは、「変わりゆく世界とこころ、見つめる精神医学」といたしました。以前の学会と異なり、現地に参集してお互いの交流を深めることは困難かもしれません。しかしながら、新型コロナウイルス感染症のもたらした副産物とも言えるかもしれないオンラインやハイブリッドでの開催を通して、福岡の地から精神医学の更なる発展、深化に貢献できますことを期待しております。 教室員一同、一生懸命にベストを尽くしておりますので、ぜひ多くの方にご参加頂けますことを、心よりお願い申しあげます。

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